教えて持田さん!
Column
展示室より大事? 博物館の「収蔵庫」の話
博物館にある資料は、展示室に並んでいるものだけではありません。浦幌町立博物館でも、多くの資料を「収蔵庫」で保管しています。展示室で公開している資料は約1000点。これに対して、収蔵庫の資料は約23000件(点ではなく件なのが実は要注意なのですが)。ふだん見ていただく機会は少ないのですが、博物館の仕事を考えると、収蔵庫を抜きには話せません。
収蔵庫は、資料を適切に保存し、必要なときに取り出して調べるための場所です。展示していないからといって、もう用のないものをしまっているわけではないのです。
たとえば化石なら、形と一緒に、どこで見つかったのか、どの地層から採ったのかという記録(二次情報)が大切です。昔の道具なら、誰が、いつ、どう使っていたか。ものと記録を結びつけて残しておくと、後から調べる人も、その資料を使って考えられます。こうした情報は「資料原簿」に記入され、資料と共に永久に保管されます。昨今では資料原簿もデジタル化が進んできました。
今は詳しくわからない資料にも、調べる方法が増えたり、別の専門家が見たりすることで、新しくわかることがあるかもしれません。今の私たちにはわからないことを、将来の研究者が調べられるように残しておく。それも、収蔵庫で資料を保存する理由です。
もっとも、棚に置いておくだけでは傷んでしまう資料もあります。材質や状態に応じて、温度や湿度を一定に保たないとカビが生えたり虫に食われたりしてしまう恐れがあります。場合によっては薬剤による燻蒸(薬剤による殺虫・殺菌処理)が必要となる場合もあります。
当館では、収蔵資料の情報をインターネットでも少しずつ公開しています。展示室で見られない資料についても、知っていただく機会を増やしたいと考えています。
展示室で見て楽しんでもらうためにも、後から調べてもらうためにも、まず資料を残しておく必要があります。収蔵庫での保存や整理は、そういう先の利用に備える仕事です。
写真は、この夏の博物館実習の際に実施した収蔵庫移転作業のようす。
確認用出典:博物館の収蔵資料